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もっと知りたい!免疫と納豆菌の関係 S-903 納豆菌コラム

2月(February)Vol.11 「「花粉対策」どうしていますか?」

薬学博士 林京子先生 × 気象予報士 藤枝知行さん スペシャル対談

林京子先生と藤枝知行さん

今月も特別企画の第2弾として、薬学博士の林京子(はやし きょうこ)先生[左]と、気象予報士 藤枝知行(ふじえだ ともゆき)さん[右]によるスペシャル対談をお届けします。

今年もきました「花粉」の季節

  • 2月になり、これからは花粉シーズンとして天気予報のコーナー内でも花粉情報の紹介がはじまります。
    実は、私も花粉症で、毎年この時期は憂鬱な気持ちになってしまいます。
  • そうなんですね、私も花粉症です。本当にこの時期は困ってしまいますよね。花粉は一年中飛んでいると思いますが、なぜ春先がシーズンになるのでしょうか。
気象予報士 藤枝知行さん
  • 林先生のおっしゃる通り花粉は一年中飛んでいますが、植物によって花粉飛散のピークが異なるんです。有名どころとしては、スギやヒノキ、さらには、イネ、ブタクサなどがありますが、2月から3月にかけて花粉シーズンのイメージがあるのは、この時期に飛散するスギとヒノキの花粉によって影響を受ける方が多いからです。私も、スギとヒノキの花粉症なんですよ。
  • この時期に花粉症症状がでる方は、スギやヒノキが疑われるということですね。私は花粉症の症状がではじめたのが10年前くらいなのですが、ある日朝起きて鏡で自分の顔を見た時に、見たこともないほどに目が腫れ上がってしまっていて、とても驚いたのを今でも覚えています。花粉症というのは、いつ我が身に現れるか分からないものですね。藤枝さんは、いつごろから花粉症になりましたか?
  • 私は中学生の頃です。それからずっと、花粉症の症状には悩まされ続けているので、皆さんにも少しでも予防・対策していただけるように、天気予報とあわせて花粉情報もしっかりお届けしなければと思っています。
  • 天気予報でお知らせする花粉情報はどのように予測しているのですか?
  • 花粉の飛散を予測するには、大きく分けて2つあります。1つ目が夏までの天候をふり返ることによる、翌シーズンの全体的な花粉飛散量の予測です。シーズン中に飛散する花粉がどれくらいの量になるのか、統計的に予測します。そして、2つ目がまさに今頃の花粉シーズンに日々お知らせしている、1日あたりの花粉飛散予測です。天気予報から、この日は花粉が飛びやすいか、また、花粉の飛びやすい昼前や夕方の時間帯の天気はどうなのか、他のシーズンと比べて時間ごとの天気予報をより詳細にお伝えするようにしています。
  • 私もそうですが、花粉症の方は、飛散予測があるとないとでは大きく異なりますからとても助かります。その日の花粉の飛散量は、具体的に天気とどのような関係があるのでしょうか?
  • 晴れて乾燥している洗濯日和のような日は、残念ながら花粉が良く飛びますね。そのほか、風が強い日は花粉が舞いやすいです。一方で、雨の日は花粉が雨で流されることで、飛散しにくいのですが、雨上がりの翌日は、流れ落ちた花粉も乾燥して再び空気中に舞ってしまうため、とても注意が必要なんです。
  • このシーズンになると花粉の付着を防ぐために、洗濯物も部屋干しが続いたり、窓を開けて換気することができなかったりと、本当に辛いシーズンになりますね。

普段から心がけたい、基本の花粉症対策

  • このシーズンになると、花粉の飛散予測以外も、どんなことに気を付けたら良いのか、お問い合わせをいただくことも増えてきます。
  • 普段、どんなことを心がけると良いのでしょうか?
  • 花粉症の方は常に対策をしていることかと思いますが、やはり基本的な対策として、花粉を「体内に入れない」「室内に持ち込まない」の2つがとても大切ですね。具体的には、マスクや帽子、さらにはメガネなど顔に近い部分は、できるだけ体内に花粉を入れないようすること。そして、お家に入る前には、できるだけ花粉を落とすこと。服も花粉が付きにくいサラサラとした素材などを取り入れることも有効ですね。
薬学博士 林京子先生
  • 近年、花粉症は2人に1人とも言われているほどに多くの方が症状に悩んでいるという話もあるので、今は花粉症ではない方も、花粉症の方が周りにいることを思って、職場やご自宅などに花粉を持ち込まないなどの心遣いがあると助かりますよね。
  • そうですね。窓を開けないということは認知されているように感じますが、室内に入る前に花粉を落としてから入ることは、意外と見落としがちなポイントなのではと思います。林先生は、どのような対策をされていますか?

花粉症対策に納豆?!

  • 私は、日頃の食生活から対策をしています。花粉症というのは、アレルギー症状で炎症の一種になります。症状緩和のためにお薬を服用されている方もいると思いますが、これはあくまでも対処療法なので、根治することが出来ません。近年、舌下免疫療法として、根治を目指す方法もありますが、いずれにしても継続的な取り組みが必須です。継続するためには安全であることも大切ですので、皆さんにも日常の食生活からできる対策をオススメしたいと思います。
  • 林先生は、普段、どんな食生活を心がけているのですか?
林京子先生と藤枝知行さん
  • もちろん、規則正しい生活やバランスの良い食事があってのことですが、私は、海藻類、きのこ類、そして、納豆の3つを食事に取り入れることを心がけています。特に納豆は、取り入れてから花粉症の症状が緩和されている実感があります。
  • 納豆、私も大好きです。納豆にはどのような働きがあるのですか?
  • 花粉症の症状は身体の免疫バランスの崩れが一つの要因であると考えられています。腸内には全身の70%ほどの免疫機能が備わっているのですが、近年、私が行った研究で、納豆に含まれる「納豆菌」が腸の免疫細胞が集まる「パイエル板」に入ることで、腸管免疫を刺激し免疫機能を高めることが期待できるとわかりました。免疫機能の高まりによって、免疫バランスを正常に整えることが期待されています。
  • 免疫のバランスをとることが大切なんですね。
  • そうですね。免疫バランスは様々な要因で崩れてしまいます。その原因は、大気汚染や食生活の変化などともいわれていますが、ストレスも大きな原因の1つとなっています。
  • ストレスも免疫バランスを崩す要因なのですね。ストレスは目に見えないですし、気付きにくいからこそ、日頃から食生活でもケアしていくことは重要ですね。
  • 最近では、「S-903 納豆菌」という、免疫に対する機能性が一般的な納豆菌の1.5倍あるという納豆菌の研究も進んでいます。S-903 納豆菌には、鼻炎症状の緩和やくしゃみ、目のかゆみなどの和らぎが見られ、花粉症症状緩和効果が示唆された実験結果もでています。
  • なるほど、納豆菌にもいろいろあるのですね。納豆なら、毎日取り入れるのも簡単ですね。
  • そうですね。継続的に取り入れた方が効果は期待できますから、できれば毎日取り入れることをオススメします。
  • 花粉症対策として、私も今後注目したいと思います。
薬学博士 林京子 先生
林 京子先生
中部大学大学院 工学研究科 客員教授、薬学博士

1976年3月京都大学薬学研究科博士課程修了。富山大学大学院医学薬学研究部の講師を経て2017年4月から現職。主な研究内容は、植物由来の天然成分や合成化学物質のウイルス増殖阻害作用の解明による抗ウイルス薬の開発、生体の感染防御機能に着目したウイルス感染症対策の検討、など。

※肩書は取材当時のものです

気象予報士  藤枝知行さん
藤枝知行さん
気象予報士

茨城県出身。北関東の広い空を眺めるうちに、天気の変化に興味を持つ。筑波大学大学院在学中に気象予報士の資格を取得。2009年から天気予報の現場に入り、毎日の予報解析やラジオ出演、気象コラムの執筆などを通し、気象予報士としての経験を積む。2013年からウェザーマップに所属。

※肩書は取材当時のものです